1本でも歯が残っていれば義歯は、ひどく動いたり、はずれたりはしないものなんです。しかし1本も歯がなくなってしまって総入れ歯になってしまうと大変です。
唾液の表面張力を利用するので、なるべく大きくしなければなりません。その上に歯周病で歯が溶けてしまった場合には、もっと大変で、「痛い」・「かめない」・「はずれる」の三重苦になります。
三〜四回で完成させてしまう保険の総義歯は、もちろんですし、時間と予算をかけて創った総義歯でさえ、この三重苦に苦しめられます。
この様な患者サンに最適なのが、前歯の部分に二本インプラントを埋める、I・O・D(インプラント・オーパー・デンチャー)です。日本では文献や症例も少ないので、インプラント先進国の韓国で勉強しています。
インプラントにバネを掛けるのではなくて、特殊な維持装置をインプラントと義歯の内面に付けて、はずれないようにするんです。しかし口で云うのは簡単なんですが、歯が1本もなくてその上に骨が少ない場所へインプラントを埋めるのは、大変な技術が必要となります。基本的には、今使っている総義歯を使えるようにするんですが、難しいインプラント手術と時間と予算が必要になります。