☆初めまして☆
今月から、ご縁があって連載始めます。歯科エバンジェリスト(伝導師)の藤原一樹です。一九七七年から高砂市で歯科医をやっています。その間、理想の診療体系を創る為に三回も医院を移転し、地元ではあきれられています。仕事・テニス・映画の好きな、一男三女の父です。
このコーナーであなたにお話しするのは、ありきたりの歯の話ではなく(歯の数は何本とか、食べた後には必ずハブラシしましょうとか)「目からウロコや!!」とか「へぇそうなんや!!」と言ってもらえるような、自分の医院でやっている最新の治療法や話題満載でいきます。なるべく、判り易い言葉でお話していきたいと思います。質問や感想も大歓迎です。これからよろしくお願いします。
さて今回あなたにお話をするのは「ムシ歯はウツル病気」だということです。生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には、ムシ歯の主な原因となるミュータンス菌はいないんです。ムシ歯になっている大人の人から同じ食器や食べ物の口移しをする事によって、ミュータンス菌が赤ちゃんに感染するんです。そうです「ムシ歯はウツルんです」。
では、かわいい赤ちゃんの為に、私達はどうしたらいいのでしょう。まず授乳法の問題があります。免疫学的にも母乳の方が人工乳よりも優れているのですが、母乳の方が時間的に不規則になり、回数がどうしても多くなるので、ムシ歯になる危険性は高いそうです。もちろん人工乳の場合には、哺乳瓶を長時間くわえたままにするのも良くありません。特に1才半から2才半の間に、ミュータンス菌に感染しやすいのです。
続いて私達大人が出来る事としては、お母さんだけではなく、お父さんやおじいさん、おばあさん自身の口の中をもキレイにしておくことです。そして、歯科医院での定期的な受診です。
でもそれ以外にも有効なムシ歯予防があります。それは、毎食後のキシリトールガムやタブレットを噛んだり舐めたりすればいいんです。キシリトールはムシ歯の原因となるバイ菌を減らしてくれます。甘さは砂糖と同じなのに、酸を作らないので、ムシ歯になりません。主に白樺や樫を原料に作られている安全なものなので、カロリーも砂糖の75%で、摂取しても血糖値を上げないので、糖尿病の方にもキシリトールは安心して使えます。使用するにあたってもっとも大切なことは、どれだけ永く続けられるかという事です。最低3ヶ月は続けて下さい。ただ一度に大量に食べ過ぎると、お腹がゆるくなって大変なことになってしまうので、(私もゴルフ場で大変になってしまいました)気を付けて下さい。
お母さんから赤ちゃんへの感染を予防する為には、生後3ヶ月ごろから、キシリトールをスタートして下さい。キシリトールはコンビニでも手に入りますが、歯科医院販売品は一粒あたりのガムの大きさが約2倍になっていて、キシリトールの量も多く、ガムベースを硬くして、金属の詰め物に付きにくくしているものや、歯の再石灰化(初期のムシ歯を治す)を促進する物質が多く含まれているものもあり、なかなかお勧めですよ。
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